2008年8月27日水曜日

公認会計士協会で保険IFRS研究会に参加


私の所属する法人は、監査法人で当然ながらほとんどのプロフェッショナルメンバーは、会計士である。私は、保険のアクチュアリーなので、少数プロフェッショナルであるが、保険会社の監査に専門家としてエクスパートオピニオンを述べる。特に、責任準備金という、保険会社の太宗を占める負債勘定が保険数理の技巧を用いて算出されているので、監査チームと協力して監査業務にかかわる。一方で、元々、コンサルタンティングアクチュアリーでもあるので、監査以外の業務、例えば保険会社のERM導入や、M&Aにおける会社の企業価値評価のDue Diligenceなどにも係わる。最近、この業界で最もチャレンジングなトピックが、保険の時価負債評価であり、国際会計基準審議会(IASB)が、10年も前から保険契約の基準を制定しようとしているが、様々な技術的困難に直面してきた。昨年、Discussion Paperと呼ばれるものが公開され、コメントが世界中の諸団体から寄せられた。来年には、Exposure Draft(ED)が出そうな気配にもなっているようである。私は、アクチュアリーなので、国際アクチュアリー会や、日本アクチュアリー会での議論に参画するようにしているが、監査法人所属ということもあり、公認会計士協会の保険IFRS研究会にも昨年度から参加させていただいている。8月25日には、同じ法人の代表社員と一緒に、N生保が作成した試算モデルに関する考察を発表した。IASBの理事や、金融庁の方も参加されているので、非常に内容の濃い議論が毎回なされるので、アクチュアリーと会計士の接点として国際基準制定のプロセスに関与できることは、有難いことと思っている。

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