2008年12月26日金曜日
Holiday Greetingsとアクチュアリー試験ご苦労様
本日は、12月26日で事実上の御用納めだ。クリスマスは皆さんどのように過ごされたでしようか?若手のアクチュアリーの人は、可愛そうに、彼女や彼とデートもできずにアクチュアリー試験がこの3日間行われていた。結果はともあれ、ご苦労様でした。また、若手が不在であった期間の上司の方々も人手不足の折、お疲れ様でした。私は、子供が小さい頃は、24日の夜はクリスマスケーキを買って帰るのがお父さんの役割で、保険会社で課長をやっていた頃までは、場末のケーキ屋さんで帰りに買って帰宅したのが懐かしい。長女は、今年から社会人になり、自分でアパート暮らしをはじめた。次女はまだ大学生だが、友達同士でパーティーのようで、夫婦で、二人だけのクリスマスを静かに過ごした。ケーキは、お互いに過食気味でダイエット中なので、敬遠していたが、さすがにクリスマスイブには、小さいのを一個買って帰った。めっきり寒くなったので、妻に襟巻きと手袋をプレゼントに買って帰った。
今日は、しばらくご無沙汰していた、大学の同期の御茶ノ水女子大の真島教授からメールをいただき、今、国立科学博物館で、日本の科学者技術者展シリーズ第7回に、「数学 日本のパイオニアたち」が開催されていることを教えていただいた。この週末にでも見に行って見ようと思う。金融工学の発展に偉大な貢献をしたガウス賞受賞者の伊藤清先生などはどのように解説されるのであろうか?米国のサブプライム問題を発端に、世の中は、未曾有の世界大恐慌に突入した。これは、なにも金融工学が悪者というわけではない。今週出版された週間ダイヤモンドの2009総予測で、金融危機関連の記事が沢山あるが、著名なヘッジファンドのジョージ・ソロスは、「欠陥抱える金融システム規制に立ち戻れ」という論説を出している。冒頭、彼は、今回の金融危機は、OPECによる原油価格の値上げといった、何らかの外的ショックによってひきおこされたのではなくて、これは金融システムそのものが生み出した危機なのだといっている。この「金融システムは、もともと欠陥がある」という事実は、一般に正しいとされる理論、つまり金融市場は均衡値に向かって収斂していくものであり、均衡値からの乖離はランダムに起こるか、でなければ市場が簡単には適応できない突然の外的事象によって引き起こされるという理論と矛盾する。今回の危機は、現行の市場規制が立脚するこの理論の根本的間違いを立証したことになる。
ソロスは、市場価格とその背後にある現実との双方向の循環的なつながりを「再帰性」と呼ぶ。そして、金融市場はつねに再帰的であり、均衡値から時として大きくかけ離れると主張している。つまり、金融市場はバブルを生みやすい。そして、今回は遥かに大きなスーパバブルの崩壊が起こったということである。ソロスは、対策も述べている。規制当局はマネーサプライのコントロールに加えて、与信状況を考慮する必要がある。今日の複雑な金融工学を駆使した金融商品は、発売前にしかるべき当局に届け出て承認を得るべきであるという。これは、国際的規制でなされねばならない。一方で、規制の行き過ぎにも釘を刺している。市場は不完全だが、規制はもっと不完全だ。規制当局は、神ならぬ身であるだけでなく、政治的な影響を免れない。規制は、安定を維持するために必要な最小限のものに抑えなければならない。大いに耳を傾ける価値がある見解と思う。
2008年12月11日木曜日
ERM Webinar本番、無事終了
本日は、過去数ヶ月に渡って準備を進めてきた、ERM Webinarの本番であった。朝の9時から生放送の開始で、司会を英語で進行した。全世界に同時中継でインターネットで配信され、音声とともに画像も見れる仕組みである。最初のスピーカーは、日本の金融庁の杉本課長補佐にお願いしたので、大変、国内外から日本の経済価値ベースのERM/ALM/ソルベンシー規制の進むべく方向性については、注目されていたが、明快なご説明がスライドを使用してでなされたと思う。2番目のスピーカーは、香港のGoldman SachsのExecutive Directorで、アジア市場の金融市場の状況を多数のグラフを使用して説明された。また、保険リスクのヘッジングの話にも言及された。最後のスピーカーは、インドのムンバイからの女性アクチュアリーでWatson Wyattの健康保険プラクティスのヘッドをされている方であった。最近のムンバイのテロリストの影響で、大変不安定な状況のなかではあったが、スライドの準備をしていただいた。内容は、アジア市場の特殊性と多様性を強調されていたと思う。当日は、朝の2時半くらいまで、原稿読み上げの準備をしていた。また、PCがダウンした場合の対応、など心配は尽きなかったが、多くの皆さんの超ハードワークで、何とか成功させることができたと思う。因みに、セミナーの内容は、事前録音バージョンもライブバージョンも、登録した人はしばらくは、視聴することが可能である。アジア地域だけでなく、ヨーロッパ地域や、北米地域も録音されているので、たっぷりと内容がある。このWebinarを成功させるにあたっては、米国アクチュアリー会の事務局のKerri A. Leoさんが徹夜に近い作業でサポートをしていただいた。セミナー終了後、以下のメッセージをいただいた。我々アクチュアリーは、プロフェッショナルとして、自己の所属するプロフェッションに貢献していくことも重要な使命の一つである。
On behalf of all of the organizers, (The Faculty and Institute of Actuaries in the UK, The Institute of Actuaries of Australia, The International Actuarial Association, The Institute of Actuaries of Japan, The Actuarial Society of Hong Kong, The Casualty Actuarial Society and the Society of Actuaries) thank you very much for your participation in the 2nd Global Best Practices in ERM for Insurers and Reinsurers Webcast. We’re all done! I know it was a lot of work for most of you, and there were some crazy deadlines to meet, but I know that all 403 sites registered for the webcast did appreciate it. We are conducting a final evaluation of the webcast and I will be happy to share the results of this evaluation with you, once they have been compiled.
To the organizing committee—we made it! After 6+ months of planning, conference calls and a little bit of stress, you have once again pulled together a fantastic program. Thank you for donating your time to advancing the profession; you may now do other work. J
The live sessions will be made available to be downloaded, probably next week sometime. They will be available for 90 days. I will send out a message to all attendees with instructions on how to download the sessions as soon as they are available.
It has truly been a pleasure to work with all of you on this project. Thank you for your dedication and participation.
Best regards,
Kerri A. Leo
Continuing Education Manager
Society of Actuaries
2008年11月29日土曜日
Thanksgiving Dayの週 金融危機とプロフェッショナルの使命
この木曜日はThanksgiving Dayで日本駐在のアメリカ人の方は、ホームパティなどをもたれたようである。一方で、世界は未曾有の金融危機のまっただなかにある。一見何も変わらないように見える私たちの生活も、経済指標を見れば為替や株価の動きが前例のないvolatilityを示している。そうしたなかで、業種を問わずに世界的な巨大企業が倒産に追い込まれたり、国家から資金支援を得たりするような異常事態にある。私たちが関与する金融の保険業界でも破綻事例が出たり、売却の対象になったりしている会社がある。また、最近発表された中間決算のディスクロージャー情報も大変厳しいものとなっている。多くのM&A案件でのデューディリジェンスが進行しているものと想像される。監査法人やコンサルティングアクチュアリー会社のアクチュアリーの皆さんで関与されている方も多数おられるであろう。私たちプロフェッショナルは、職業基準や行動規範にのっとり、このようなグローバルな金融危機のなかにあってしっかりと社会的使命を国際的連携の下に果たして行くことが重要である。
2008年11月13日木曜日
アクチュアリー会年次大会でMCEVのパネル発表
11月の10日、11日と恒例の日本アクチュアリー会の年次大会が開催された。業務の関係もあり、なかなかすべてのセッションに出ることは困難であるが、初日の懇親会では、多くの方々と懇親することができた。会長、理事長をはじめとし多くのIAAの委員の方々は、キプロスから帰国したばかりでまだ時差が残っている方もおられたようである。私自身は、国際関係委員会の部会で、研究を進めていたヨーロッパCFOフォーラムにおける市場整合的エンベッディド・バリュー(MCEV)原則について、オーガナイザーとして発表した。パネルに参加されたのは、次のアクチュアリーの方々であった。
会場(大手町サンケイプラザ 4Fホール)
あらた監査法人 吉田 英幸
アイエヌジー生命 Thomas Hanson さん
日本生命 布施 琢也 さん
富国生命 保科 憲一 さん
ドイツ証券 森田 朋良 さん
ミューニックリー 飯島 博幸 さん
Hansonさんの発表には通訳をアレンジしてもらった。夕刻の5:10から2時間におよぶ長時間のセッションであったが、大変盛況に終えることができた。
2008年11月11日火曜日
キプロスのIAA会議に参加
10月の30日から11月6日まで、年二回開催されるIAA会議のキプロス会議に参加するために出張してきた。一番の目的は自分が議長を務めるIACA会議を司会運営するためである。本番は、11月4日の11時から12時半までであったが、電話会議の機械接続がホテルの電話とうまくつながらず、外国からCall Inするはずのメンバーが参加できずに終ってしまった。議決権の問題があるので、今後フォローしていく必要がある。議案は、次のとおりであった。
IACA Committee Agenda - FINAL
November 4, 2008
11:00 am – 12:30 pm Local Time
Conference Call
I. Outgoing Secretary’s Report Morten Harbitz
A. Approve minutes of September 12, 2008 conference call minutes
II. Joint Colloquium Final Cost Split Mike Toothman
III. Treasurer’s Report
A. 31 December 2007 - Revised Morten Harbitz
B. Proposed Budget 2008-2011 - Revised Morten Harbitz
IV. Executive Director’s Report Margaret Sherwood
A. Bylaws
B. Geoffrey Heywood Young Consultants Award Task Force
C. Policies and Procedures Manual
D. Website Update
E. IACA Committee Directory
F. Members’ Directory
G. Committee Membership Record
H. Attendance Record
I. Meeting Attendance and Cost History
V. Report on IAA Task Force on Sections Adrian Waddingham
VI. Function Committees’ Reports – Membership, Terms of Reference, and Action Plans
A. Professionalism Committee Michael Codron
B. Publications and Research Joint Committee Andrew Vaughan
C. Membership Committee NEEDS CHAIR –
Hideyuki Yoshida
D. Global Development Committee Hideyuki Yoshida
VII. Mini-Meetings Committee
A. October 2008 CCA Meeting Promotion Ken Hohman
B. February 2009 - ACA – Gatwick Nick Salter
C. 5-7 October 2009 - PBSS – Tokyo Ken Buffin
D. 12-15 October 2009 - EAAC – Korea Grace Jiang &
Hideyuki Yoshida
E. 1-4 November 2009 - CCA - Tucson, Arizona Ken Hohman
VIII. 2010 Biennial Meeting - 7-12 March with ICA Meeting - South Africa Mike Codron
IX. Next Biennial Meetings Hideyuki Yoshida
A. 2012 - February or March - With Global Conference of Liyaquat Khan
Actuaries, PBSS, and IAAHS - Probably Mumbai, India B. 2014 - 30 March - 4 April with ICA meeting - Washington, DC, USA not yet assigned
C. 2016 – Europe? Probably with PBSS and IAAHS not yet assigned
D. 2018 – Sydney? Berlin? With ICA meeting not yet assigned
X. Next Meetings Hideyuki Yoshida
A. Meeting - 4 November 2008, 11:00 am-12:30 pm – Cyprus
B. Global Development Committee Meeting – 4 November 2008, 12:30-1:30 lunch - Cyprus
C. Conference Call – Friday, 16 January 2009, 8:00 am Eastern
D. Conference Call – Thursday, 2 April 2009, 8:00 am Eastern
E. Meeting – 27-30 May 2009 – Estonia
F. Meeting – 12-15 November 2009 – India
G. Meeting – 4-12 March 2010 – Cape Town, South Africa
H. Meeting – 10-13 2010 – Austria
I. Meeting – 5-8 April 2011 – Sydney, Australia
J. Meeting – 29 September – 2 October 2011 - Croatia
キプロスへの旅程は、羽田空港、関西空港、ドバイ空港、ラルナカ空港と、乗り継ぎが多かったが、これがベストのルートのようで、日本からの参加者の皆さんの多くも同じ便で同乗されていた。
2008年10月5日日曜日
誕生日を迎えた週
先週の金曜日の10月3日は、私の56歳の誕生日だった。相変わらず仕事で忙殺されているが、法人のIFRSセミナーが帝国ホテルで9月30日に開催された。また、この日には、半月前にクライエントに出した保険ERM導入支援のコンサルティングのプロポーザルが、おがけさまで受注できた。あくる日の10月1日は、午前はアクチュアリー会のERM委員会に出席し、自分の担当のWebinarの準備状況の報告。駆け足で帰って、午後一は監査クアイエントの打合せ、そして直ぐに飛び出して公認会計士協会の研究会に参加した。今回は、金融庁がソルベンシーIIと国際保険監督機構の動向を発表された。非常に専門的で有意義であった。アクチュアリー会の理事会と時間が重なっており、そちらの方は欠席せざるを得なかった。翌2日は、午前中は、国際関係委員会のMCEV部会の打合せで、翌週のリハーサルについて段取りを固めた。午後は、法人の金融セクター全員のオールスタッフミーティングが、東京国際フォーラムで開催され夕刻まで続いた。夕刻5:30分に英国に電話をかけて、別のクライエントとの会食・打合せに備えた。外出の多い週であったが、充実していた。
2008年9月13日土曜日
金曜日の夜はConference Call の連続
昨日、9月12日(金)は、Conference Call(電話会議)の連続であった。PwCのようなグローバルファームに所属していると、電話会議は何もめずらしいことはなく、日常頻繁に使用されている。無論、英語力は必須である。海外のクライエントやPwCの他国のメンバーを入れての会議は、英語ですべておこなわれる。昨日は、日本時間の午後6時(英国時間朝10時)から、クライエント業務の件で、PwCの英国事務所とプロジェクトの進め方について議論した。其の後に、9時から国際コンサルティングアクチュアリー会(IACA)の定例会議で、Chairmanとして会議を運営した。世界中から18名ほどの、色々な国の英語の発音の訛りを聞き取りながら、全員の了解をとりつつ90分ほど司会していくのは、なかなか骨が折れる。昨日の議案は次の通りであった。無論、事前の根回しの電話会議を数回は、Key Membersとおこなっておく。
IACA Committee Agenda - FINAL
September 12, 2008
8:00 am – 9:30 am Eastern
Conference Call
I. Outgoing Secretary’s Report Morten Harbitz
A. Approve minutes of July 29, 2008 Meeting
II. Joint Colloquium
A Final Cost Margaret Sherwood
B. Benefits & Compensation International Article Distribution & Cost Ken Buffin
C. Final Cost Split Mike Toothman
III. Treasurer’s Report
A. 31 December 2007 - Revised Morten Harbitz
B. Proposed Budget 2008-2011 - Revised Morten Harbitz
C. ICA 2010 Bursaries –Continued Discussion Morten Harbitz
D. Expense Reimbursement – Review of Other Sections’ Policies Morten Harbitz
(apparently none) and Changes to IACA’s Policy
IV. Executive Director’s Report Margaret Sherwood
A. Bylaws
B. Geoffrey Heywood Young Consultants Award Task Force
C. Policies and Procedures Manual
D. Website Update
E. IACA Committee Directory
F. Members’ Directory
G. Committee Membership Record
H. Attendance Record
I. Meeting Attendance and Cost History
V. Function Committees’ Reports – Membership, Terms of Reference, and Action Plans
A. Professionalism Committee – Including Comments on Michael Codron
FRC Papers due 30 September 2008
B. Publications and Research Joint Committee Andrew Vaughan
C. Membership Committee Barbara Addie
D. Global Development Committee Hideyuki Yoshida
VI. Upcoming Mini Meetings Hideyuki Yoshida
A. October 2008 CCA Meeting Promotion Ken Hohman
B. February 2009 - ACA – Gatwick Nick Salter
C. 5-7 October 2009 - PBSS – Tokyo Ken Buffin
D. 12-15 October 2009 - EAAC – Korea Hideyuki Yoshida
E. 1-4 November 2009 - CCA - Tucson, Arizona Ken Hohman
VII. 2010 Biennial Meeting - 7-12 March with ICA Meeting - South Africa Mike Codron
VIII. Next Biennial Meetings Hideyuki Yoshida
A. 2012 - February or March - With Global Conference of Liyaquat Khan
Actuaries, and probably PBSS and IAAHS - Probably Mumbai, India B. 2014 - 30 March-4 April with ICA meeting - Washington, DC, USA not yet assigned
C. 2016 – Europe? Probably with PBSS and IAAHS not yet assigned
D. 2018 – Sydney? Berlin? With ICA meeting not yet assigned
IX. Next Meetings Hideyuki Yoshida
A. Meeting - 4 November 2008, 11:00 am-12:30 pm – Cyprus
B. Conference Calls – Need to Schedule November 2008 to May 2009
C. Meeting – 27-30 May 2009 – Estonia
D. Meeting – 12-15 November - India
無事に会議を終えて、次回はキプロス島で開催することを確認して閉会した。時間は10時半を回っていた。これから夕食をとって、机上の資料を整理して今日も深夜に帰宅する。コンサルタントの一日は、ハードワークながらも充実感にあふれている。世界中の著名なコンサルタントと今後のアクチュアリーの進むべき方向を次世代につないでいくのが我々の責任と認識している。
2008年8月27日水曜日
公認会計士協会で保険IFRS研究会に参加
私の所属する法人は、監査法人で当然ながらほとんどのプロフェッショナルメンバーは、会計士である。私は、保険のアクチュアリーなので、少数プロフェッショナルであるが、保険会社の監査に専門家としてエクスパートオピニオンを述べる。特に、責任準備金という、保険会社の太宗を占める負債勘定が保険数理の技巧を用いて算出されているので、監査チームと協力して監査業務にかかわる。一方で、元々、コンサルタンティングアクチュアリーでもあるので、監査以外の業務、例えば保険会社のERM導入や、M&Aにおける会社の企業価値評価のDue Diligenceなどにも係わる。最近、この業界で最もチャレンジングなトピックが、保険の時価負債評価であり、国際会計基準審議会(IASB)が、10年も前から保険契約の基準を制定しようとしているが、様々な技術的困難に直面してきた。昨年、Discussion Paperと呼ばれるものが公開され、コメントが世界中の諸団体から寄せられた。来年には、Exposure Draft(ED)が出そうな気配にもなっているようである。私は、アクチュアリーなので、国際アクチュアリー会や、日本アクチュアリー会での議論に参画するようにしているが、監査法人所属ということもあり、公認会計士協会の保険IFRS研究会にも昨年度から参加させていただいている。8月25日には、同じ法人の代表社員と一緒に、N生保が作成した試算モデルに関する考察を発表した。IASBの理事や、金融庁の方も参加されているので、非常に内容の濃い議論が毎回なされるので、アクチュアリーと会計士の接点として国際基準制定のプロセスに関与できることは、有難いことと思っている。
2008年8月15日金曜日
ERM Webinarの電話会議の後にお盆で新潟に帰省する
8月13日は、朝の8時からニューヨークのERM Webinar Organizerとの定例の電話会議を行った。今年の1月16日に第一回を行ったのだが、世界を3極(北米、欧州、アジア・パシフィック)に分けて、インターネットで世界を15時間かけて一周するオンラインベースとレコードベースのセミナーである。前回アジア・パシフィック地域のCoordinatorをやった関係で今回も依頼されて、Steering Committeeに入ることになった。プログラムを徐々に固めていくのであるが、ニューヨークサイドの方針を受けて、私はアジアのプログラムを、香港、日本、オーストラリアのメンバーとともに編成していくことになる。今年からは、日本アクチュアリー会の国際関係委員会の委員にも協力してもらうこととし、またERM委員会とも連携することとなった。電話会議を終えて、直ぐに新潟に帰省するための新幹線に乗り遅れないように東京駅に向かった。昼過ぎに新潟市内の実家に着き、80歳になるお袋の元気な顔を見て安心し、先祖の墓参りに行った。新潟は東京より暑かったが郷土の料理を食べて元気を出した。翌日の14日は、海水浴場と温泉のある村上の瀬波温泉まで、いなほ号で1時間かけて静養に行った。新潟の旧繁華街の古町通りがさびれたのは残念だが、瀬波温泉は活気があった。あいにくの天気で海が荒れていたので、泳ぎはしなかったが、温泉にはたっぷりとつかった。休暇とはいえ、会社からのメールがパソコンに頻繁に入るので、その回答のメールを打つのに時間をとられるので、コンサルタントという商売柄、完全な休暇というようなオフタイムはなかなかとれない。IACA関係でも、海外からどんどんメールが入り、元英国の政府アクチュアリーで国際アクチュアリー会の重鎮でもあるクリス・ダイキン氏が、私の部会のメンバーになってくれるとの回答が来たのでとても心強くまた嬉しく思えた。温泉宿で、高校野球とオリンピックをテレビで楽しんで、一泊し、今日、15日、新潟経由で東京に帰京した。東京駅前の新丸ビルが自分の所属する法人のあるビルである。短いがそれなりに楽しめた夏季休暇であった。
2008年8月11日月曜日
一日人間ドックを受ける
毎年、この時期は会社の健康診断で、指定の聖路加国際病院クリニック・予防医療センターへ受診にいく。朝の8時からの受付で、朝食抜きで行くから自宅から約1時間、電車で乗り継いで、有楽町線の新富町駅から徒歩で10分くらいで着く。暑さと朝食抜きのせいか、つくまでにフラフラしてしまう。受付で番号札をもらって、着替えて順次に色々な検査室を回る。私は、胃と腸の内視鏡検査は事前に他の病院で受けているので、これらはとばしていける。10:40位にすべて終わると、朝食が用意されていて、サンドイッチ・ジュースなどをいただいて、あとは、結果について医師との面談になる。血液検査などは、早速結果がでていて、コレステロールが昨年より随分と下がって、ご機嫌になった。これならばもうちょっとの努力で、正常値にいける。そのあとは、栄養士さんとの面談で、食生活や生活慣習について、自分のデータの結果を見て指導をうける。やはり、運動不足が毎年の通り、大きく平均を下回っている。これからは、日常生活の中に運動を組み込んで、メタボ対策に励むべしと決意したもののどう実行すべきかは、Life Workバランスを保つことと一体の問題として解決しないといけないので、そう簡単なことでない。
2008年7月19日土曜日
ケベック・シティーでのIAA(国際アクチュアリー)会議でIACAの議長を務める
6月の10日から18日まで、ケベックで開催されたIAA(国際アクチュアリー)会議に参加するために、出張した。シカゴとトロントを乗り継いでの便で20時間くらいかけて現地にたどり着いた。IACA(国際コンサルティングアクチュアリー会)の議長に就任して、初めての会議であり緊張した。本番は、6月14日の9時から10時半まで、現地の会議室と電話会議で参加する世界中の委員の方をつないでおこなわれた。議事録は、以下のとおりであるが、何とか前議長や他のオフィサーに支えられて終えることができた。セクションの議長になると、自分の委員会だけでなく、他の重要な会議に参加を要求される。Council meeting, Executive committee, Section Chair Meetingなどであるが、中には夕食から始まって夜の10時過ぎまで続く会議もある。タフでないと務まらない。ケベック市は、400年記念とのことでにぎわっていた。美しくてエレガントな街でフランス語が公用語だが英語もたいていは通じた。帰りはニューヨーク経由で帰ったが、航空ショーのアクロバット飛行をやっていた関係で飛行機は大幅におくれ、マンハッタン入りしたのは夜の11時頃になっていた。
IACA議事録(June 14,2008):
Committee members in attendance in person:
Hideyuki Yoshida, Chair
Mike Toothman, Past Chair
Ken Buffin, Vice Chair
Margaret Sherwood, Executive Director
Zainal Abidin Mohd-Kassim
Kenneth Hohman
Committee members in attendance by phone:
Morten Harbitz, Secretary/Treasurer
Michael Codron
Janina Slawski
Segundo Tascon
Gerd Warncke
Committee members absent with regrets were:
Barbara Addie
Grace Jiang
Emmanuel Tassin
Nicholas Salter
Alexander van Stee
Andrew Vaughan
Committee members absent were:
Liyaquat Khan
Guest in attendance:
Martin Stephenson
Hideyuki opened the meeting and welcomed all new members, plus the guest Martin Stephenson
1. Prior Meeting Minutes.
The Committee approved the 4 May 2008 minutes with minor changes.
The Committee also approved the minutes from the Biennial General Meeting 5 May 2008 with minor changes.
Margaret Sherwood will distribute the final minutes from both meetings and ask Christian Levac to post them.
2. Outgoing treasurer’s report.
a. 31 December 2007
The accounts for 2007 were approved. The net assets at year end 2007 are $339.520,97C. 2007 showed a surplus of $26.263,28C.
b. Joint Colloquium in Boston
There is still some work with splitting the expenses between the three parties responsible for the colloquium. Margaret will cooperate with the IAA secretary to get this in order. Once this is settled, the new treasurer, Morten Harbitz, will take over.
c. Proposed budget 2008-2011
After some discussion regarding the cost of getting the ASTIN Bulletin, the budget was approved with some minor corrections. The corrections are partly connected to the refund of the loss from the joint colloquium from the two other sections, and partly to increased administrative charges from IAA for use of the secretariat.
3. Bylaws Review
It appears that the bylaws that we can find on the web site are not correct. Apparently 3 different versions are around. Margaret will find out which version is the correct, and ensure that this will be put on the website.
Hideyuki urged everyone to read the bylaws, which are called the rules on the net. They will need to be discussed at the next meeting in order to make them more suitable for the actions that we foresee.
4. Strategic Initiative and Action Plan
a. General
Hideyuki opened this point by saying that the activities already initiated should continue, and that the functional committees now more or less dormant should be reactivated. There is a need to get rid of ambiguity.
As section chair, Hideyuki will be member of the executive committee in IAA. A clear signal from the members services task force in IAA is that the increased number of sections will lead to more joint colloquia (like the one we had in Boston). Our challenge is that IACA, being a section more composed of practioners than scientists, may have slightly different goals for the colloquia than other sections. The next opportunity in this regard will be the 2012 colloquium, probably in Mumbai.
b. Officer’s Roles and Responsibilities
There were no suggestions as to any change here. The web site information needs an update.
c. Function Committees’ Roles and Responsibilities
Professionalism Committee – Jay Jaffe is the chair. The question was raised whether we need this committee.
Publications and Research Joint Committee – Andrew Vaughan is chair and Liyaquat Khan is a member of this committee. They need some help from other section members.
Membership – Barbara Addie is the Chair of this committee. Christian Levac has produced a list of former members that for some reason have dropped out. We should try to get them back. Adrian Waddington and Brent Walker will be asked to volunteer to help in this matter.
Hideyuki and Ken Buffin will discuss further actions, and send an email to all committee members with question of where they will participate.
d. Other Committees’ and Task Forces’ Roles and Responsibilities
Our rules do not allow for non functional committees. These committees are therefore informal committees. We do not have a nominations committee.
The Max Lander award committee could be chaired by the past chair of IACA. There could be a need for a special task force to pursue the idea of a special award for younger (i.e. < 40) members. The thought about such an award was originally aired by Brent Walker. Margaret contacts him about this. It might be great to start this award in connection with the 2010 congress, f.i. with bursaries.
If these committees should be formalized, the rules need to be changed Hideyuki looks into this.
5. Mini-Meetings.
February 2009 – ACA – Gatwick, GB. This is taken care of by Nick Salter.
September or October 2009 – EAAC – Korea. It is suggested to have a special IACA day during this meeting. Hideyuki follows up.
5-7 October 2009 – PBSS – Tokyo. We should channel back that we would like to take part in form of a section or a (half) day.
1-4 November 2009 – CCA – Tucson, Arizona, USA. The responsibility of getting IACA involved will naturally lie on Kenneth Hohman.
6. Next Biennial Meetings.
7-12 March 2010 – ICA meeting in Cape Town, South Africa. Mike Codron will be the liaison with the congress, with help from Emmanuel Tassin and Janina Slawski. IACA needs a professional program, and we shall organize the biennial meeting. An IACA lunch will also be considered, like the one in Paris.
2012 – This will probably be in Mumbai, India. Liyaquat Khan and Brent Walker have liaised with the organizing committee.
30 March – 4 April 2014 – ICA meeting in Washington, DC, USA.
2016 – Europe.
2018 could be in Sydney.
8. Next Meetings.
Margaret will send an email with suggestions to time, and make sure that we shall have a quorum. Possible time is late July and early September, for the two meetings we need before the IAA meeting in Cyprus.
2008年6月7日土曜日
国際コンサルティングアクチュアリー会の議長に就任
先月Bostonに出張した学会のなかで、5月5日に国際コンサルティングアクチュアリー協会(International Association of Consulting Actuaries; IACA)の総会が開催され、執行委員会(IACA Committee)の2年に一回の選挙が行われ、新たに、各国から次の委員が選任された。
Barbara Addie of Canada, Zainal Abidin Mohd-Kassim of Malaysia, Michael Codron of South Africa, Grace Jiang of China, Kenneth Hohman of the USA, nominated by the CCA, Nicholas Salter of the UK, nominated by ACA, Gerd Warnke of Germany
現在のメンバーと会わせて、定款で定める18人のSlateが承認された。引き続き、役員の選挙が行われ、私が議長として選任された。役員は、次の5名である。
Chair – Hideyuki Yoshida (Japan)
Past Chair – Mike Toothman (USA)
Vice-Chair – Ken Buffin (USA)
Secretary/Treasurer – Morten Harbitz (Norway)
Executive Director – Margaret Sherwood (USA)
なお、定足数の関係で、これは、後にemailで全員の投票で確認された。新任の議長として、私は次のスピーチを総会の最後に行った。
Incoming Chair’s Comments – Hideyuki Yoshida
Hideyuki thanked the outgoing officers and outgoing Committee members for their work.
He plans to focus on the IACA function committees’ goals and activities and continue to move IACA forward.The next IACA Meeting will be 7-12 March 2010 at the ICA meeting in South Africa. The IACA Committee will begin preparations for this meeting at its 14 June 2008 meeting in Quebec.
また、5月5日の夜は、IACAの創立40年を兼ねて、各国の著名なコンサルタントを招待して、晩餐会を開催した。この場で、正式に、前議長のMike Toothmanから私に議長のメダルとGavel(議長の小槌)が引き渡された。(写真)
来週の6月10日からカナダのQuebec Cityで次回の会議が開催されるが、そこから実際に私が委員会を議事進行していく重要な責任を持つことになる。
参考に国際アクチュアリー会のURLは、次のとおりである。
http://www.actuaries.org/
2008年6月2日月曜日
創業記念日で休日
今日は、会社が創業記念日なので休日であった。久しぶりの休みを利用して健康診断で大腸の内視鏡検査をしてもらった。前の晩から下剤を飲んで、朝から2リットルもあるニフレックという液体を2時間かけて飲む。そして、腸の中をきれいに洗浄した状態で近くの大学病院で検査をうけた。過去にも経験があるので、パニックにはならないがやはりあまり気持ちの良いものでない。でも、結果はポリープも検出されず、無罪放免となったので、昼飯に好物のいか天ぷらうどんを食べた。帰りはややフラフラしていたが、付き添ってくれた妻に感謝。あしたは、私の国際関係委員会の開催日で、東京の外人プロフェッショナルも入れての、国際討論をするフォーラムの年度計画の検討をする予定だ。日本の金融・保険・年金制度について徹底した議論を英語でする道場として、人材を育てるのも大きな目的だ。そして、今の日本の制度にどのような問題が根底にあるのか、トピックを選んで、青い目のプロの意見を聞き、日本人のオピニオンリーダーと議論を戦わせる。結果は、記録して日米で出版するつもりだ。その後は懇親会にしているが、検査の結果問題がなかったので、飲み放題で日本語と英語交じりで20名程の同志達と語らうのが楽しみだ。
2008年6月1日日曜日
30年ぶりのBoston
1970年代半ばにボストンで学び、30年以上のときが流れた。当時5年間の苦学を経て日本人の保険業界人として、初めて米国のアクチュアリー会の正会員資格を取得した。資格は、Fellow of Society of Actuaries(FSA)とよばれるもので、アメリ人でも7、8年はかかるものである。Society of Actuariesについては、次のリンクを参考されたい。
http://www.soa.org/
今年のゴールデンウィークにアクチュアリー関係の国際学会出席のために久しぶりに渡米した。チャールズ川は、相変わらず青く美しい。ハーバードスクエアも以前よりにぎやかだ。ジョンハンコックタワーのミラーグラスがあたかも新築のビルのように輝いている。コプレイプラザあたりが、随分と再開発されたが、クリスチャンサイエンスセンターの水槽プールとボストンシンフォニーに近い、自分の住んでいた赤レンガのアパートは今も残っていた。5月のこの季節は梅雨のないボストンに一気に初夏の季節を感じさせアイビーと赤レンガが調和する。20歳になった娘を、初めてのアメリカ旅行の経験に連れて行って、これがお父さんの勉強した場所だよと教えた。当時私は、アメリカの財団の奨学金で週40ドルくらいの小切手を送ってもらって生活していた。国際電話など、とても高くて月に一回も日本に電話できなかった。日本人は、まだまだ貧しかった。インターネットはおろか、ワープロもまだなく、秘書の業務はタイピストという感覚だった。アメリカ人は、寿司・さしみなど全く食べなかった。日本人の食べているものを見て、なんと野蛮な人種かといわれたものだ。今は、全く違う。ニューヨークでも寿司はヘルシーな高級料理だ。当時、アメリカは圧倒的に豊かな国に感じた。1980年代のバブルで一見日本は経済大国になったかに思えたが、それは泡と消えた。学会では、アメリカの財政収支、メディケア、ユニバーサル健康保険などを基調講演した学者がいた。国防費より医療費のコストが重い。日本もアメリカも財政的には似たような課題を抱えている。大きく違うのは金融・会計系のグローバルスタンダード作りのリーダーシップ力において日本は、大きく取り残されていることだろう。国家百年の計は教育にあるとは実感である。世界をリードするスタンダードを創造できる頭脳を生み出す教育とその実験場となるインフラや市場をグローバルにリンクされた中で活躍できる人材を輩出することが急務である。学会の発表者の資料は、以下のリンクにある。
http://www.actuaries.org/Boston2008/Program_EN.cfm
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